評価勘定6つと特殊な勘定科目の違いをおさえよう

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貸倒引当金

減価償却累計額

割引手形

裏書手形

自己株式

引出金

★特殊な勘定科目★

評価勘定とは

評価勘定をなぜ使うのか

評価勘定を使うと、ある勘定科目の価値リスク適切に反映することができるため。

評価勘定の特徴

1.資産(負債、資本)が減少する可能性があるが、確実性のないもの。

2.決算書に表示する帳簿価格とは別に帳簿価格から控除すべき額もの。

3.特定の資産(負債、資本)をマイナスしてB/S上表記するもの

確実性がないのに、資産(負債、資本)から直接差し引く決算書影響するため、別に評価勘定として記帳しておく。

評価勘定として個別に記帳しておくことで、現在どの科目(資産・負債・資本)がどのくらい減少する可能性があるかを知ることができる。

評価勘定は、減少する勘定科目が資産なら貸方へ記帳、減少する科目が負債なら借方へ記帳、減少する科目が資本なら借方へ記帳、といったように逆側に記載される。

例)減価償却費10,000/建物減価償却累計額10,000

→建物(資産)なので貸方(逆側)

(資産:建物100,000)ー(評価勘定:建物減価償却累計額10,000)=建物90,000

科目別間接控除方式(原則)
建物 100,000
建物減価償却累計額▲10,00090,000
貸借対照表の表示

建物減価償却累計額(10,000)を評価勘定として記載しておくことで、建物(資産)が90,000に減ったことが分かる。

評価勘定を6つ

1.貸倒引当金(貸方、受取手形・売掛金の評価勘定)

2.割引手形(貸方、受取手形の評価勘定)

3.裏書手形(貸方、受取手形の評価勘定)

4.減価償却累計額(貸方、固定資産の評価勘定)

5.自己株式(借方、株主資本の評価勘定)

6.引出金(株主資本>資本金の評価勘定)

貸倒引当金

金銭債権(売掛金・受取手形)が将来回収不能となることを予測し、損失の額を計算したもの。

○将来のリスク

→実際には損失は発生していない

→帳簿上、直接売掛金などをマイナスできない

→評価勘定(貸倒引当金)を使う

例)貸倒引当金繰入10,000/貸倒引当金10,000

減価償却累計額

固定資産の取得価額現在の価値正確に把握するための評価勘定。

減価償却を間接減額法で行った場合、評価勘定である減価償却累計額を使う。

○固定資産の帳簿価額を減少させる

→取得原価はそのまま

→マイナスの資産(減価償却累計額)として積み上げていく

減価償却の方法

直接減額法・・・固定資産の現在価値がすぐにわかる。デメリットは減価償却費、減価償却累計額が一目で分らない。固定資産の売却や買い換えを頻繁に行う場合は直接減額法が便利。

間接減額法・・・取得原価減価償却累計額の推移がわかる。デメリットは現在価値を出すには減価償却累計額を固定資産の額から引く必要がある。

割引手形

偶発債務となる評価勘定(将来回収不能も予測)。

銀行へ手形を持って行って割引して現金をもらった。

→もし、手形を発行した会社が倒産してしまったら、代わりに自らが手形分を銀行へ支払う義務を負う。

資産減少する可能性があるが、確実ではないもの。

例)当座預金97,500/割引手形100,000

手形売却損2,500/

手形の満期日が来て、手形が無事に決済された

割引手形100,000/受取手形100,000

裏書手形

偶発債務となる評価勘定(将来回収不能も予測)。

○裏書きして手形を買掛金支払に使った

→もし、手形を発行した会社が倒産してしまったら、代わりに自らが手形分を仕入先に支払う義務を負う。

資産減少する可能性があるが、確実ではないもの。

例)買掛金100,000/裏書手形10,000

手形の満期日が来て、手形が無事に決済された

裏書手形100,000/受取手形100,000

自己株式

自己株式は資本のマイナス(控除)。

→自己株式は株主固有の権利を持たない

→会社財産の払戻しの性格を有する

以上の理由から債権者保護のために会社の財産から除外されている。

そのため、評価勘定として個別に管理されている

自己株式100,000/現金95,000

/預り金5,000

※預り金は源泉徴収額 

引出金

引出金とは、個人事業主や商店店主などが、自己資金として出資した資本金から、私用で資産を持ち出したり、費用を支払ったりした分を計上するための勘定科目。

資本金の評価勘定 

例)引出金1,000/現金1,000

引出金勘定を使わない場合

 資本金1,000/現金1,000

他の特殊な勘定科目

対照勘定・・・取引は成立していないが、実際の取引に付随する状況を記録するために使用する勘定科目のこと。備忘録。実際の取引には影響しない。計上時、解消時、両方に同額の仕訳を行う。

例)手形割引義務見返1,000/手形割引義務1,000→計上時

  手形割引義務1,000/手形割引義務見返/1,000→解消時 

混合勘定・・・資産や負債の勘定科目(B/S)であり、かつ収益や費用の勘定科目でもある(P/L)もの。

例)総記法の商品 

未決算勘定・・・取引は発生しているが取引の収支がなく、処理する勘定科目が未確定であるときの勘定科目。

例)火災未決算 

決算勘定・・・決算時に勘定科目を集計するために使われる勘定科目。

例)損益(勘定)、残高(勘定)

○のれん評価勘定

例)無形固定資産

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