(引当金の暗記ポイント)
①費用、損失
②当期以前の事象に起因
③発生の可能性が高い
④金額を合理的に見積もることが出来る
★引当金は大きな支出が突然発生したとき役に立つ。
→あらかじめ費用計上しておくことで利益が大きく減少する可能性を予防する。
★引当金の計上は、会社の財務状況やリスクを適切に開示できる。
→会社の信用力や資金調達力を高めることができる。
引当金のポイント
将来の特定の費用又は損失であって、その発生が当期以前の事象に起因し、発生の可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積もることができる場合には、当期の負担に属する金額を当期の費用又は損失として引当金に繰入れ、当該引当金の残高を貸借対照表の負債の部又は資産の部に記載するものとする。(企業会計原則・注解18)
1.発生主義の原則
2.費用収益対応の原則
3.保守主義の観点
以上から引当金を設定することが決められているよ!
あくまでも・・・引当金設定の本質は、「適正な期間損益計算を行う」ためにあるから・・・
貸倒引当金繰入額1,000/貸倒引当金1,000 という仕訳で考えると・・・繰入額として、費用の計上をすることが大切になってくるのよ!
分類
(1)B/Sの観点からの分類 | 評価性引当金 |
負債性引当金 | |
(2)損益計算書の観点からの分類 | 費用性引当金 |
損失性引当金 | |
(3)債務性の観点からの分類 | 法的確定債務(条件付債務) |
法的債務でない引当金(会計的負債) |
引当金に法的な債務性があれば(法的確定債務)、税務上、損金算入したりできるから・・・
しっかり分類を理解しておく必要があるんだね!!
記帳方法(仕訳)
○決算整理
(1)洗替法 | 貸倒引当金1,000/貸倒引当金戻入益1,000 |
貸倒引当金繰入額1,500/貸倒引当金1,500 | |
(2)差額法 | 貸倒引当金繰入額500/貸倒引当金500 |
又は(貸倒引当金が減った場合)、 | |
貸倒引当金×××/貸倒引当金戻入益××× |
○期中に貸倒引当金が不足した場合
貸倒時 | 貸倒引当金1,000/売掛金1,500 |
貸倒損失500/ |
賞与引当金の仕訳
賞与引当金
前期決算(3/31)、当期6月支給予定賞与、6,000千円、前期負担分→賞与引当金計上、対象12/1~5/31就労分
6,000✕4ヶ月÷6ヶ月=4,000
○決算時 | 賞与引当金繰入額4,000/賞与引当金4,000 |
○支給時 | 賞与引当金4,000/現金6,000 |
賞与2,000 |
役員賞与引当金
①決算(3/31)、役員報酬(50,000千円)の10%、役員賞与引当金設定
②株主総会(6/25)決議、役員賞与5,000千円を支給
③6/28、役員賞与、全額、現金支給
①決算 | 役員賞与引当金繰入額5,000/役員賞与引当金5,000 |
②株主総会 | 役員賞与引当金5,000/未払役員賞与5,000 |
③支給日 | 未払役員賞与5,000/現金5,000 |
未払従業員賞与
①X1年12月決算時、支給対象期間(X1年6月~12月)の夏期賞与10,000千円X2年4月に支給、当該賞与は支給額が確定
②当該支給対象基準とは別、前期には支給していない、業績連動賞与5,000千円を支払うことが確定
①支給対象期間に対応(確定債務) | 賞与10,000/未払費用10,000 |
②支給対象期間以外の基準(確定) | 賞与5,000/未払金5,000 |