直接減額方式の圧縮記帳
圧縮記帳とは、国や地方公共団体からの補助金分を固定資産の取得原価から減額することによって、当期の税金を節税する手法になるよ!
だけど・・・
税金は繰り延べられるだけ。当期に節税できただけで、一時的なんだ。
取得した年度にいっぺんに税金を払わなくていいぶん、企業にとっては資金繰りが楽な反面、色々経理に手間がかかったりして大変なこともあるんだって。
ものを作ったり、建物を省エネしたり・・・国や地方公共団体が定めた規定にそった固定資産の取得に補助金としてお金がもらえるのね(=収益)。
圧縮記帳
国や地方公共団体から固定資産を購入する際に補助金をもらう。
圧縮記帳とは、
固定資産の取得に関する収益(国庫補助金・工事負担金などの補助金)の一部を取得した固定資産の帳簿価額から減額すること。
→その減額された金額が「取得原価」となる。
○国庫補助金とは・・・国が企業に交付する補助金
○工事負担金とは・・・地方公共団体が交付する負担金
圧縮記帳の目的は、課税の繰延べである。
課税所得を小さくし、課税の延期をすることができる制度(税金は免除されない→将来に繰延べされるだけ)。
圧縮記帳により、当期の利益(課税所得)及び法人税等は減少する一方、
将来は、減価償却費が少なく計上されるため、利益(課税所得)および法人税等が増加する。
圧縮記帳した場合の取得原価=購入価額+付随費用ー固定資産圧縮損
勘定科目
(資産) | (負債) |
建物 | |
機械装置など | |
(費用) | (収益) |
固定資産圧縮損 | 国庫補助金受贈益 |
工事負担金受贈益 |
国や地方公共団体からもらった「国庫補助金(工事負担金)受贈益」=繰延することのできる金額「固定資産圧縮損」
国庫補助金(工事負担金)受贈益は特別利益となる。
直接減額方式の仕訳
固定資産から直接減額すること→例)機械装置を国庫補助金受贈益分減らす
1.補助金を受けとる
現金1,000/国庫補助金受贈益1,000
2.購入した時の仕訳
機械装置5,000/現金5,000
3.圧縮記帳を行った時の仕訳
固定資産圧縮損1,000/機械装置1,000
取得原価=機械装置4,500+付随費用500ー固定資産圧縮損1,000=4,000
この取得原価4,000を使って減価償却費を計算する。
4.決算時の仕訳
○機械装置 耐用年数4年 残存価格0 間接法 定額法→4,000÷4年=1,000
減価償却費1,000/減価償却累計額1,000
圧縮記帳を行うと?
※400の節税となる。
しかし、減価償却費が5,000から4,000と減額された分、1,000は将来費用処理ができないため、税金を当期節税する(圧縮記帳)か、それとも来期以降に納めていくか(減価償却費)の違いとなる。