1.平価発行(額面金額=発行金額)
2.割引発行(額面金額>発行金額)
3.買入償還
4.抽選償還
5.借換
★平価発行以外は、償却減価法を適応する→利息法か定額法かに注意する。
★償却減価法で金利の調整をする。
★クーポン利息がある。
社債とは
社債とは、民間事業社の発行する債券で、株式会社が長期資金を調達するため、公衆に対して債権(社債券)を発行することにより生じた債務である。
社債とは、株式会社が長期資金を調達するために、債権を発行するときに生じた債務だよ!
①10,000円の社債には、3%のクーポン利息がつく!
②そして、だいたいが、額面より低い金額で設定されているので・・・その差額は金利の調整として、償却減価法が適用されるんだ。
・・・・発行価額が9,500円、額面10,000円、5年間の定額法なら、毎年100円ずつ社債の簿価を期末に増やしていく、といった感じで額面と発行価額(=簿価)の差額を毎年決算で埋めていくんだよ。
そして、満期をむかえた5年後には簿価は額面金額の10,000円になるんだ。
この処理は「金利の調整」と考えられているよ!
償却とは、借金や費用などを返済したり、固定資産の価値が減少した分を経費(減価償却費など)として計上したりすること。
例でいうと、差額の500円を、社債の元本を払い終わるまでに、経費(社債利息)として計上していく、ということよ。
(X0年4/1社債発行、額面10,000、発行価額9,500、決算日3/31、利払日3/31、定額法の場合)
①社債利息300/現金預金300 (クーポン利息10,000✕3%)
②社債利息100/社債100(差額10,000ー9,500=500 500÷5年=100)
→この100円分が金利の調整(償却原価法)
→社債簿価:9,500+100=9,600
支払手形、買掛金、社債その他の債務は、債務額(10,000=額面)をもって貸借対照表価額とする。ただし、社債を社債金額よりも低い価額又は高い価額で発行した場合(9,500=発行価額=発行時簿価)など、収入に基づく金額と債務額が異なる場合には、償却原価法に基づいて算定された価額(9,600=金利調整後の簿価)をもって、貸借対照表としなければならない。
社債と株式の違いを説明するわ。
発行する側からみて、社債は、「借入金としての性質」、株式は「会社の出資金」で社債は償還期限があり利息を支払うけど、株式は返済の義務がないのよ。
購入する側からみて、社債は、価格変動が小さいから安定した収入(受取利息)があるけど、株式は値上がりや値下がりなどするわ。そして社債は、会社の経営に関与できないけど、株を持っていたら株式として経営に参加できる!
補足だけど・・・
借入金は、銀行などからお金を借りること。
担保や保証人が必要だったりする。
短期的な資金繰りに適しているよ!
社債は、投資家などに債権を売ってお金を借りることになる。
法的な手続きがあったり、信用力が求められたりする。
こちらは長期的な事業資金調達に適してるよ!
社債のB/S表示
資産 | 負債 | |
流動負債 | ||
1年内償還社債 | ||
固定負債 | ||
社債 | ||
純資産 | ||
社債発行費
社債発行費とは、企業が社債を発行する際にかかった費用を処理するための勘定科目である。
広告宣伝、社債発行の際にかかる印刷代、登録税などこれに含まれる。
社債発行費は、原則として、支出時に費用(営業外費用)として処理する。ただし、社債発行費を繰延資産に計上することができる。この場合には、社債の償還までの期間にわたり利息法により償却しなければならない。ただし、償却方法については、継続適用を条件として、定額法を採用することができる。
→社債発行費は、決算時に繰延資産として定額法で償却する方法が計算問題でよく出される。
(社債発行時)→5年(の継続適用)、定額法、償却
社債発行費1,000/現金1,000
(決算時)1,000÷5年=200
社債発行費償却200/社債発行費200
社債利息とは?
P/L上は、営業外費用となる。
社債利息とは、社債という金銭債務(=借入)に対する利息をいう。
その額面金額に利率(クーポン利率)を乗じた金額を支払いする。
例)額面10,000、クーポン利率5%
社債利息500/現金500
平価発行
【注意点】
①クーポン利息の利払日と決算日がずれている場合
→未払社債利息となる。
②当期における社債利息の未払分は、確定金銭債務となるので、
→未払金として処理する。
③社債発行費は、毎期決算時に償却する。
(決算時仕訳)
①社債利息100/未払社債利息100
②社債利息200/未払金200
③社債発行費償却10/社債発行費10
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割引発行
○額面金額より発行価額の法が低い価額に設定
→償却減価法を適用する。
1.利息法の場合→利払日ごとに償却減価法で金利の調整をする。
(最後の期は、額面と社債の差額で計算)
2.定額法の場合→満期日に償却減価法で金利の調整をする。
○満期日をむかえる時→社債額面を債権者に支払う。
利息法
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定額法
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買入償還
ポイントは、買入償還前の簿価を正確に計算すること!
利息法
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定額法
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抽選償還
抽選償還とは、「分割して社債を償還」すること。
社債の償還予定日に、指定された償還金額分、社債の額面金額を減少させる。
額面金額が減少→クーポン利息の金額が利払日ごとに違う。
X0.4.1発行、額面金額30,000、クーポン利息5%
償還予定日 | 償還金額 | 額面金額 | 仕訳 | クーポン利息 |
X01.3.31 | 10,000 | 20,000 | 社債10,000/現金10,000 | 社債利息1,500/現金1,500 |
X02.3.31 | 10,000 | 10,000 | 社債10,000/現金10,000 | 社債利息1,000/現金1,000 |
X03.3.31 | 10,000 | 0 | 社債10,000/現金10,000 | 社債利息500/現金500 |
○社債の償還予定日は、決算時として出題される計算が多い。
利息法
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定額法
抽選償還→定額法→社債の償却原価法→級数法!
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借換
社債の借換時までにおけるクーポン利息の月数計算に注意!
定額法
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